カメムシといえば、その悪臭が強く印象に残りがちで、知らぬ間に家に入り込み、不快なにおいを放つことがあります。
しかし、カメムシの被害はにおいにとどまらず、農作物や家庭菜園、さらには趣味のガーデニングにまで影響を及ぼす可能性があります。
したがって、カメムシ対策は日常的に行っておくべき重要なポイントです。
ここでは、カメムシの発生原因やその生態、効果的な駆除方法や予防策について詳しく説明します。
カメムシの基本情報
カメムシはカメムシ目・カメムシ亜目に属する昆虫の総称です。
三角形の頭部と広い胸部、細長い後部を持ち、全体的に見ると背中が五角形のような形をしています。
この形状が亀の甲羅に似ていることから「カメムシ」と名付けられました。
地域によってはヘッピリ虫、クサムシなどの異なる呼び名でも知られています。
世界中には1,100種類以上、日本国内には90種類以上のカメムシが確認されています。
その中でも、クサギカメムシ、マルカメムシ、アオクサカメムシがよく見かけられる種類です。
カメムシの種類と特徴
- クサギカメムシ:
- 大きさ:13mm~20mm
- 色:茶色や黒褐色、褐色のまだら模様
- 特徴:平たい体で室内に侵入しやすい。果物の水分を吸う傾向がある。
- マルカメムシ:
- 大きさ:体長5mm前後
- 色:茶色
- 特徴:丸い形状で、背中の三角部分が広がっている。強いにおいを発し、自身のにおいで死ぬこともある。大豆やミカンを好む。
- アオクサカメムシ:
- 大きさ:12mm~16mm
- 色:緑色(ツヤなし)
- 特徴:日本全土に分布し、広食性で農作物や果物の水分を吸う。
- ホオズキカメムシ:
- 大きさ:11mm~12mm
- 色:黒褐色
- 特徴:肩が張り、後肢が太い。ピーマンやナスなどに付く。
- ナガメ:
- 大きさ:6.5mm~9.5mm
- 色:黒地に橙色の紋
- 特徴:草地に生息し、アブラナ科の植物を好む。冬は集団で越冬することが多い。
- サシガメ:
- 特徴:昆虫を捕食する肉食性のカメムシで、複眼部分が丸く飛び出している。日本には約50種類が生息し、他のカメムシよりも頭が小さい。
カメムシのライフサイクルと生態
カメムシは4月頃から繁殖期に入り、5月から8月にかけて産卵します。
卵は1~2週間で孵化し、数回の脱皮を経て約1か月で成虫になります。
成虫は冬を越し、翌春に再び繁殖活動を行います。カメムシの寿命は最長で1年半です。
強いにおいの発生
カメムシは外部からの刺激を受けると、臭腺からトランス-2-ヘキセナールを分泌し、強烈なにおいを発します。
このにおいは、危険を知らせる警戒フェロモンや、仲間を集める集合フェロモンとしての役割も果たします。
カメムシによる被害
悪臭被害: カメムシが放つにおいは非常に強烈で、手や衣服に付着すると、洗っても数日間残ることがあります。
大量飛来: カメムシが大量発生すると、家の壁や街灯に何万ものカメムシが集まることがあります。
室内への侵入被害: カメムシは室内に侵入し、においを発することで不快な状況を引き起こします。洗濯物や隙間から入り込み、冬には室内で越冬することもあります。
農作物、植物への被害: カメムシが植物に口器を刺して水分を吸うと、植物の組織が破壊され、農作物の生育不良や収穫物の腐敗を引き起こすことがあります。
人体への影響: まれにサシガメに刺されることがあり、ハチに刺されたような痛みを伴います。海外では吸血する種類もあり、病気を媒介することがあります。
カメムシが大量発生する原因
花粉が多い年: スギやヒノキの花粉が多い年は、カメムシがその実をエサにして成長しやすく、大量発生することがあります。
周辺の空き地: 空き地に草が生い茂っていると、カメムシが生息しやすくなります。好む植物があると、さらに生息数が増える可能性があります。
カメムシの被害を防ぐために
洗濯物に注意: カメムシが付着していないか確認し、特に大量発生時期には外干しを避けることも考慮します。
すき間対策: 窓の隙間などをスキマテープで塞ぎ、室内への侵入を防ぎます。
ミントの利用: カメムシが嫌がるミントを植えることで、家庭菜園や家の周りからカメムシを遠ざけることができます。
忌避剤の使用: カメムシを寄せ付けない忌避剤を使用することで、効果的に被害を防ぎます。
カメムシの駆除方法
ペットボトルを利用する: ペットボトルを改造してカメムシを捕獲する方法があります。これにより、においを発する前に安全に捕獲できます。
粘着テープを利用する: カメムシを粘着テープで捕らえてそのまま捨てる方法は、簡単で効果的です。
殺虫剤を利用する: カメムシ専用の殺虫剤を使用することで、迅速かつ確実に駆除することができます。
まとめ
カメムシによる被害を防ぐためには、刺激を与えずに駆除することが重要です。
殺虫剤の使用が最も確実な方法ですが、室内で使用する際には凍殺タイプのスプレーも有効です。
両方を用意しておくことで、状況に応じて使い分けることができます。
カメムシ対策をしっかり行い、快適な生活環境を維持しましょう。
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