「手を出したら負け」はおかしい?先に手を出した方が悪いと言われる理由

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人間関係

子ども同士のケンカは、決して珍しいことではありません。

兄弟や友達同士で言い合いになったり、ちょっとしたことがきっかけで叩いたり、押したりしてしまうこともあります。

そんなとき、よく言われるのが、

「先に手を出した方が負け」

という言葉です。

もちろん、相手を叩いたり蹴ったりすることは良くありません。

でも、よくよく考えてみると、

「先に手を出した方が全部悪い」

と決めてしまっていいのでしょうか?

手を出してしまった子にも、何か理由があったかもしれません。

何度も嫌なことを言われていたのかもしれないし、「やめて」と言ってもやめてもらえなかったのかもしれません。

あるいは、自分の気持ちをうまく言葉にできず、つい手が出てしまった可能性もあります。

大切なのは、「手を出したこと」と「ケンカになった原因」を分けて考えることだと思います。

今回は、なぜ「先に手を出したら負け」と言われるのか、「手を出したら負け」という考え方は本当に正しいのか、子ども同士のケンカを中心に考えてみたいと思います。

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なぜ「先に手を出したら負け」と言われるの?

「先に手を出したら負け」と言われるのには、やはり理由があります。

まずは、なぜそのように言われているのかを考えてみましょう。

暴力を振るうこと自体が問題になるから

どんな理由があったとしても、相手を叩いたり蹴ったりすることは、基本的には避けるべき行動です。

相手にケガをさせてしまう可能性がありますし、身体だけでなく心を傷つけてしまうこともあります。

ケンカになったときに、

「腹が立ったから叩く」

「嫌なことを言われたから蹴る」

という方法で解決しようとしてしまうと、さらに大きなケンカへ発展してしまう可能性もあります。

だからこそ、「何があってもまずは手を出さない」という意味で、「先に手を出したら負け」と教えられてきたのではないでしょうか。

子どもにとっても、「手を出してはいけない」という分かりやすいルールになります。

ただし、ここで注意したいことがあります。

「先に手を出した=ケンカの原因を作った」とは限らない

先に手を出した子が、必ずしもケンカの原因を作ったとは限りません。

例えば、

  • ずっと悪口を言われていた
  • 何度もからかわれていた
  • 持ち物を取られた
  • 嫌なことをされ続けていた
  • 「やめて」と言ってもやめてもらえなかった

このようなことが先にあって、我慢できなくなった結果、手を出してしまうことも考えられます。

もちろん、それでも相手を叩いていいということにはなりません。

ただ、

「あなたが先に叩いたんだから、あなたが悪い!」

だけで終わらせてしまうと、その前に起きていたことが見えなくなってしまいます。

手を出した行為について注意することと、なぜケンカになったのかを確認することは別の問題です。

ここを分けて考える必要があると思います。

「先に手を出した」という事実だけではなく、その前に何があったのかまで確認することが大切です。

「手を出したら負け」っておかしいんじゃないの?

「手を出したら負け」という言葉そのものが、完全に間違っているとは思いません。

子どもに「人を叩いてはいけない」と教えることは大切だからです。

一方で、

「先に手を出した方が全部悪い」

という意味で使うのであれば、少し違うのではないでしょうか。

手を出した方にも理由があるかもしれない

子どもが手を出した場面だけを見ると、

「叩いた方が悪い」

と思ってしまいます。

でも、その場面だけでは分からないことがあります。

どうして叩いたのか?

その前に何があったのか?

相手から何をされたのか?

嫌だという意思を伝えていたのか?

こうしたことを確認しなければ、本当の原因は分かりません。

「手を出したんだからあなたが悪い」と最初から決めつけてしまうと、子ども自身も「どうせ話を聞いてもらえない」と感じてしまうかもしれません。

まずは何があったのかを聞くことが大切なのではないでしょうか。

言葉の暴力や嫌がらせが先だった場合は?

ケンカというと、叩いたり蹴ったりする行動に目が向きやすいですよね。

身体的な暴力は目に見えるため、大人も気づきやすいです。

でも、言葉によって相手を傷つけることもあります。

例えば、何度も悪口を言う、しつこくからかう、相手が嫌がっていることを繰り返す。

こうした行為が続いた末に相手が手を出したのであれば、「先に叩いた」という事実だけを見て判断するのは難しいと思います。

もちろん、

「悪口を言われたから叩いていい」

という話ではありません。

悪口を言ったことにも問題があり、叩いたことにも問題があります。

どちらか一方だけを見るのではなく、ケンカになるまでの経緯を見ることが大切です。

大切なのは「どっちが悪い?」だけで終わらせないこと

子どもがケンカすると、

「どっちが先にやったの?」

と聞きたくなります。

親としても、原因を知るために必要な質問ではあります。

ただ、「先にやった方を見つけて叱る」だけでは、同じようなケンカがまた起きるかもしれません。

それよりも、

「何が嫌だったの?」

「そのとき、どうすればよかったと思う?」

「今度同じことがあったらどうする?」

と一緒に考えることの方が大切だと思います。

ケンカを単純な勝ち負けで考えるのではなく、次に同じことが起きたときにどう行動するかを考える機会にできるといいですよね。

「手を出してはいけない」と教えることと、「先に手を出した子が全部悪い」と決めつけることは同じではありません。

先に手を出されたら、やり返してもいい?

ここも難しいところです。

「先に手を出したら負け」なのであれば、

「相手が先に手を出したなら、やり返してもいいの?」

という疑問が出てきます。

個人的には、「やられたらやり返せ」と教えてしまうのはおすすめできません。

「やられたらやり返せ」と教えることの問題点

一度やり返すと、

叩かれたから叩き返す。

叩き返されたから、さらに叩く。

という状態になる可能性があります。

これではケンカがどんどん大きくなってしまいます。

また、「相手が先だったから自分は悪くない」という考え方になってしまう可能性もあります。

大切なのは、勝つことではなく、自分の安全を守りながらケンカを終わらせることではないでしょうか。

やり返す以外に子どもができること

では、叩かれたら我慢するしかないのでしょうか?

そうではありません。

子どもには、

  • はっきり「やめて」と伝える
  • 相手から離れる
  • その場所から逃げる
  • 先生や親など大人に伝える

といった方法があることを教えておきたいところです。

特に危険を感じるような状況なら、その場から離れて助けを求めることが重要です。

「やり返さない=何もせず我慢する」ということではありません。

やり返す以外にも、自分を守る方法があることを子どもに伝えておくことが大切です。

大切なのは、勝つことではなく、自分の安全を守りながらケンカを終わらせることではないでしょうか。

子どもがケンカで手を出してしまうのはなぜ?

そもそも、どうして子どもは手を出してしまうのでしょうか?

「乱暴な子だから」

という一言だけでは片付けられないケースもあります。

気持ちをうまく言葉にできない

子どもは大人ほど自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。

「それをされたら嫌だ」

「本当はこうしてほしかった」

「悲しかった」

「悔しかった」

そんな気持ちを言葉にできず、手が出てしまうこともあるでしょう。

その場合、「叩いちゃダメ!」と注意するだけではなく、

「嫌だったら『やめて』って言おうね」

など、別の伝え方も一緒に教えてあげる必要があります。

怒りをコントロールできなかった

頭では「叩いたらダメ」と分かっていても、カッとなった瞬間に手が出てしまうこともあります。

これは大人でも簡単ではありませんよね。

感情が高ぶっているときは、その場ですぐに話し合おうとしてもうまくいかない場合があります。

そんなときは、一度相手から離れて落ち着くことも大切です。

嫌なことを我慢し続けて爆発してしまった

最初は我慢していたのに、何度も嫌なことをされて限界になり、最後に手が出てしまうケースも考えられます。

だからこそ、手を出した瞬間だけではなく、その前に何があったのかを確認する必要があります。

ただし、理由を聞くことは暴力を認めることではありません。

「どうして手を出したのか理解すること」と「手を出してもいいと認めること」は別です。

ここを大人側もしっかり分けて考えたいところです。

手を出してしまった理由を知ることは、暴力を肯定するためではなく、次に同じことを繰り返さないためにも大切です。

子どもが先に手を出してしまったとき親はどうする?

実際に自分の子どもが先に手を出してしまったら、親としてどう対応すればいいのでしょうか。

「うちの子が先に叩いた」と聞けば、すぐに叱りたくなるかもしれません。

でも、まず確認したいことがあります。

まずケンカを止めて落ち着かせる

まだお互いが興奮している状態なら、まずケンカを止めて距離を置かせます。

感情が高ぶっている状態で、

「どっちが悪いの?」

「ちゃんと謝りなさい!」

と言っても、うまく話せないかもしれません。

まずは安全を確保して、お互いが落ち着ける時間を作ることが大切です。

「どうして叩いたの?」と理由を聞く

落ち着いたら、何があったのかを聞いてみます。

このとき、

「なんで叩いたの!」

と責めるように聞くより、

「何があったの?」

「その前に何をしていたの?」

と順番に確認した方が、子どもも話しやすいでしょう。

そこで初めて、

「嫌なことを言われた」

「ずっとからかわれていた」

「おもちゃを取られた」

など、それまで見えていなかったことが分かるかもしれません。

相手の子の言い分も確認する

当然、自分の子どもの話だけですべてを判断することもできません。

子どもによって見えている出来事は違います。

可能であれば先生など第三者にも確認し、双方の話を聞くことが大切です。

そのうえで、何が起きたのかを整理していきます。

「手を出したこと」と「ケンカになった原因」を分けて考える

ここが一番大切だと思います。

例えば、子どもがずっと嫌なことを言われていて、最後に相手を叩いてしまったとします。

そんなとき、

「嫌なことを言われてつらかったんだね。でも、叩くのはダメだよ」

と伝えることはできます。

子どもの気持ちを理解することと、手を出したことを注意することは両立できます。

何でも子どもの味方をすればいいわけでもありませんし、何でも相手の子の味方をすればいいわけでもありません。

起きたことを一つずつ分けて考えることが重要なのではないでしょうか。

子どもの気持ちを理解することと、手を出したことを注意することは両立できます。

ケンカで話し合いができないときはどうすればいい?

子ども同士で解決できれば理想的ですが、お互いに感情的になっていると難しい場合もあります。

そんなときは無理に子どもだけで解決させる必要はないと思います。

一度距離を置いて落ち着く

互いに感情が高まっている場合は、冷静になるためにも一時的に距離を置きます。

ケンカをしている場所から離れたり、一度それぞれ別の場所で過ごしたりして、気持ちが落ち着くまで待ちます。

感情的になっているときに無理に話し合いをしても、また言い合いになってしまう可能性があります。

親や先生など第三者に入ってもらう

子ども同士で話し合いができない場合は、第三者に入ってもらう方法があります。

学校で起きたことであれば先生、家庭内であれば親など、状況を整理できる大人に間に入ってもらいます。

ただし、第三者が最初から、

「先に手を出したあなたが悪い!」

と決めつけてしまっては意味がありません。

大切なのは、お互いの話を聞き、何が起きたのかを整理することです。

ケンカや暴力が繰り返される場合は周囲に相談する

一度だけのケンカなら子ども同士で解決できる場合もありますが、同じ相手とのトラブルが何度も繰り返されるのであれば話は別です。

学校や園で起きているのであれば、先生にも状況を共有しておいた方がいいでしょう。

また、ケガにつながるような暴力が繰り返されているなど、子どもの安全に関わる状況では、子どもだけに解決を任せないことが大切です。

状況に応じて、周囲の大人や適切な相談先に助けを求めましょう。

話し合いが難しいときは無理に子どもだけで解決させず、親や先生など周囲の大人を頼ることも大切です。

「先に手を出した方が負け」だけで判断しないことが大切【まとめ】

ケンカで手を出してしまうことは、決して良いことではありません。

相手を傷つける可能性がありますし、「腹が立ったら暴力で解決する」という考え方になってしまうのも問題です。

だから、「手を出してはいけない」と子どもに教えることは大切だと思います。

ただし、

「先に手を出した=その子が全部悪い」とは限りません。

手を出す前に、悪口を言われていたのかもしれません。

何度も嫌なことをされていたのかもしれません。

「やめて」と言ってもやめてもらえず、我慢の限界だったのかもしれません。

だからこそ、先に手を出したという結果だけを見るのではなく、

「何があったのか?」

「どうして手を出してしまったのか?」

「次に同じことが起きたらどうすればいいのか?」

まで考えることが大切なのではないでしょうか。

暴力を肯定する必要はありません。

その一方で、手を出してしまった子どもの気持ちや、その前に起きていたことまで否定する必要もないと思います。

「手を出したら負け」で終わらせるのではなく、ケンカの原因と手を出した行為を分けて考え、次は暴力を使わずに解決する方法を子どもと一緒に考える。

それが、子どものケンカに大人が向き合ううえで大切なことではないでしょうか。

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