誰でも失敗なく簡単に捺印できるハンコといえば、みなさんご存じのシャチハタです。
シャチハタというのはハンコの名前ではなく、
名古屋にあるハンコメーカーの会社名です。
正式にはインク浸透印といいます。
これはシャチハタで売っていたインク浸透印の、
「Xスタンバー」という商品が大ヒットしたときに、
なぜか商品名ではなく会社名が有名になってしまい、
インク浸透印はシャチハタ、という名前で定着してしまったのでした。
この記事ではシャチハタというのはインク浸透印としてお話しします。
シャチハタで捺印しようとすると、
「シャチハタ不可」と注意書きされた書類があります。
でも、うっかり間違えて押してしまうときがありますよね。
そして、以下のようなことを思ってしまいます。
「訂正する方法はないの?」
「新しい書類を用意しなければならないの?」
「なんで禁止なの?」
「間違えて提出しても気づかれないのでは?」
今回はこれらの疑問についてお話しします。
シャチハタ不可に押してしまった…どうしよう?
公的な書類は、シャチハタでの捺印は不可とされています。
うっかり間違えて捺印してしまったら、どうすればよいのでしょうか。
新しく同じ書類を用意して作りなおさなくても、
訂正印を捺印すれば大丈夫です。
間違えた印影に二重線を引き、少し重ねて訂正印を捺印します。
完全に重なるとか、まったく重ならないのはダメです。
そして訂正印の横に、訂正印と重ならないように正しい印鑑を捺印します。
訂正印は、原則として印鑑登録されている実印を使用します。
ただし、実印が偽造されるリスクがあるので、
氏名欄に捺印した認印を使用しても構いません。
他にも以下の制約があるので注意してください。
- 修正テープや修正液による訂正はできません。
- シャチハタを訂正印として使用できません。
- 訂正印という名称の小さい丸いシャチハタは使用できません。
公的な書類には、シャチハタを使わないほうが無難です。
シャチハタで捺印するのは、なぜダメ?なぜわかるの?バレるの?
誰でも失敗なく、何度でもきれいに捺印できるシャチハタですが、
なぜ、禁止される書類があるのでしょうか。
日本は昔からハンコ社会です。
書類に捺印することは、以下のことをあらわします。
- 書類の内容を正式に認める
- 本人であることを証明する
そのため、捺印した書類に
いつまでも印影が変わらないで残っていなければならず、
いつ捺印しても同じ印影でなければなりません。
- 契約書に捺印した印影が変化しては意味がありません。
- 銀行の口座の手続きをするときに、届印と印影が違っていたら手続きできません。
きれいな印影で捺印できるシャチハタですが、これらを満たせません。
印鑑の朱肉と異なり、シャチハタのインクは化学製品のため、
数年すると化学変化により、印影がにじんで不鮮明になります。
また、シャチハタの印面はインクをしみこませるため、ゴムでできています。
ゴムは経年劣化で変形しやすく、
数年後に同じ印影で捺印できない場合もあります。
さらにシャチハタは100円ショップなどで売られています。
ということは、
誰でも簡単に同じ印影のシャチハタを用意できるので、
悪用すれば、なりすましができてしまいます。
このような問題が起こると困るような書類は、シャチハタの捺印が不可とされているのです。
でも、書類を提出したときにバレないのでは?
と思われるかもしれません。
シャチハタは、ゴム印からしみだすインクを紙に転写するため、
印影のエッジがにじんでしまいます。
印鑑は朱肉を印面に乗せてから転写するので、
印影のエッジがにじまないのです。
印影を比べてみると、エッジの違いがわかります。
印影を見なれている人には、ぱっと見でバレてしまいます。
間違えたら、訂正印で訂正するか、書類を作りなおしましょう。
まとめ
とても便利なシャチハタですが、以下の問題があります。
- 数年すると印影がにじみ変化する。
- ゴムの部分が変形して印影がかわってしまう。
- 同じ印影のシャチハタが流通しているので、なりすまされてしまう。
そのため、シャチハタでの捺印が不可とされる書類があるのです。
捺印するときは、今回お話ししたことを思い出して、
使用場面で印鑑とシャチハタを正しく使い分けてくださいね。
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