皆さんが普段から何気なく使っている日本語。
きちんと意味や由来を知って使っている人は、
少ないのではないでしょうか?
今回は、その中でも簿記などの時に使われる
「赤字」と「黒字」についてです。
なんとなくの意味として、
「赤字はマイナス」「黒字はプラス」とご存じの方はいるでしょう。
それぞれのハッキリとした意味と由来を解説していきますので、
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ぜひこの機会に日本語の理解を深めていきましょう。
赤字と黒字の由来は?意味もしっかり解説
そもそも「赤字」「黒字」の
ハッキリとした意味をご存じでしょうか?
それぞれ色を示しているだけなのに、
どうしてそれ以上の意味を持つのでしょう?
調べてみました。
「赤字」
→支出が収入より多いこと。欠損している状態。
「黒字」
→収入が支出より多いこと。余剰している状態。
意味としては上記の通りになります。
これらの「赤字」と「黒字」は、
会社の決算や簿記、家計管理の時に使われることが多いでしょう。
次に由来を解説します。
赤字と黒字の由来は、
明治から大正時代にかけて、西洋複式簿記が輸入された時にさかのぼります。
西洋複式簿記は、
現在使われている複式簿記の起源ともいわれています。
西洋複式簿記では、
マイナスになった時に「in the red」と言われていました。
そこから、日本では簿記や会社の決算などといった時に
マイナスだった場合「赤字」と言われるようになりました。
先に赤字が使われ始めたことにより、
その逆である、黒で書かれた決算書のことを黒字と言われたのです。
これが、赤字と黒字の由来になります。
赤字と黒字の時に決算表で三角(△)が使われる理由や意味について
ここまで、赤字と黒字の意味と由来を解説してきました。
では、赤字の時にマイナス(‐)ではなく、
三角(△)が使われるのはなぜでしょうか?
これにも諸説ありますが、
赤字の時に三角(△)が使われるのは日本独自の表記の仕方です。
これは、西洋複式簿記が輸入されたのが
明治から大正という時代であったことがポイントになっています。
当時はまだ漢数字を使用していたので、
マイナス(‐)表記だと、
漢数字である一(いち)と見間違ってしまう恐れがありました。
このことで、当時の財務省が、
はっきりと違う記号である三角(△)を用いるように指導がされた
と考えられています。
そして海外では赤字の場合、三角(△)表記は使われず、
丸括弧()で表記されるようですので、注意してくださいね。
また、決算時の三角(△)の表記方法に、
白い三角(△)と黒い三角(▲)があります。
これ自体には意味や違いはありませんので、
どちらを使っても大丈夫です。
しかし、これは簿記や決算表で使用する場合に限ります。
余談になりますが、
株価で使われる三角(△)は、
白い三角(△)と黒い三角(▲)で意味が違ってくるので注意が必要です。
使う用途によって意味も違ってくるので、気を付けましょう。
赤字と黒字の由来についてまとめ
赤字と黒字の由来
・明治から大正にかけて、西洋複式簿記が輸入された時に
西洋でつかわれていた「in the red」が由来
赤字の場合になぜ三角(△)が使われるのか
・明治から大正にかけては、まだ漢数字を使用していたこと。
・当時の税務省から、三角(△)と使用するように指導があったため。
赤字と黒字の由来と、
赤字の時に三角(△)と表記される理由を解説しました。
何気なく使っている言葉ですが、
きちんとした意味を知って使うことで、
間違えて使うといったことがなくなります。
輸入されたときの名残は残っているものの、
日本独自の変化もみられる現在の複式簿記です。
赤字の時に使われる三角(△)については、
周りで使われているのが
白い三角(△)か黒い三角(▲)かによって使い分けるようにしましょう。
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