日本全国どこでも見かける鳥、カラス。
しかし、カラスと言えば昔から不吉の象徴として有名です。
カラスが大きく群れを成していると、
「大地震などの災害の前触れ」などといわれることもあります。
カラスは、市街地では家庭で出たゴミを荒らしたり、
田舎では果樹などの農産物被害を出したりと、害鳥として認識されており、
ほかにもその知能の高さから、様々ないたずらや被害を出しており、
総じて良いイメージはない鳥です。
そんなカラスが、電線に集まっているのを見かけたことはありませんか?
ただでさえ良いイメージのないカラスが、電線に群れを成しているのを見ると、
より一層不気味に感じますよね。
集団で「カァーカァー」と鳴かれるとうるさいですし、
何か悪いことでもあるのかとも思ってしまいますよね。
この記事では、
カラスが電線に集まる理由について説明していきたいと思います。
カラスの種類について
カラスにも種類があるのを知っていましたか?
日本には7種類のカラスが生息しています。
その中で普段、私たちがカラスと呼んでいるのは、
そのうちの2種類、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」です。
見分け方はその名の通り、クチバシにあります。
クチバシが太ければ「ハシブトガラス」、
クチバシが細ければ「ハシボソガラス」といった具合です。
この2種類が日常で見かけるカラスであり、
その習性は若干の違いはあるものの、
どちらも種類も同じく人間に被害を与えることがあります。
カラスが集まる理由とは?
ではそもそも、カラスはなぜ集団を作るのでしょうか。
普段は1~2羽程度で行動しているのを見かけることが多いのですが、
夕方頃になると集団で見かけることが多くなりますよね。
カラスは春から繁殖期に入り、
森林の樹木や住宅地の街路樹、ビルなどの屋上に巣を作ります。
そこで卵を産み、ヒナが巣立つまでその巣で暮らします。
卵が孵化して、そのヒナが巣立つまでの期間は
おおよそ2ヶ月弱といわれており、初夏のころには子育てが終わります。
夏が終わり、子育てが終わったカラスは
秋から次の春の繁殖期まで集団で「ねぐら」を作って行動するようになります。
この「ねぐら」とは、カラスたちが夜を過ごすための場所で、
少なめのねぐらでも数十羽、
多ければ1000羽ほどのカラスが1つのねぐらで夜を過ごします。
カラスが集まる理由は、このねぐらを作るためだったんですね。
集団で行動する理由は、ほかにも天敵を発見しやすいこと、
食べ物を見つけやすいこと、繁殖期に向けてツガイを見つけやすいことなどもあるそうです。
カラスが電線に集まる理由って何?
カラスが集団で群れを成す理由はわかりました。
では電線に集まる理由は何なのでしょうか?
カラスが集団でねぐらを形成することは、先ほど説明いたしました。
電線に集まる理由も、このねぐらが関係しています。
カラスはねぐらの安全を確認するために、
一度ねぐら付近の樹木や鉄塔、電線などに集まり、集団で帰ります。
夕方になると、電線にカラスたちが集まっているのを見かけるのは
これが理由です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カラスは寝床の安全を確認するために、
寝床近くの電線で待ち合わせをして、みんなで寝床まで帰っていたんですね。
カラスが集団を作って行動するのは、秋から次の春までにかけての期間であり、
繁殖期に入る次の春には、つがいを見つけて巣を作るため、集団は解消されます。
最近、近所の電線にカラスが集まって困っているという方も、
次の春にはそのカラスたちを見かけることがなくなりますので、安心してください。
また、集まっているカラスを見て「近いうちに悪いことが起こるのでは」と
不安に感じてしまう方も、カラスが集団を作るのはその習性に由来するものであり、
あくまで迷信でしかありませんので安心してください。