年に一度、ご先祖様や
亡くなった家族の霊が家に帰ってくる「お盆」。
あの世から里帰りするご先祖様の霊が迷わないよう、
お迎えの目印として火を焚く風習を「迎え火」、
また現世からの帰り道の出発地点の目印として
火を焚く風習を「送り火」と呼びます。
しかし、初めて行うとなると正しくできるか不安ですよね。
今回は、迎え火や送り火の経験がないという方にも分かりやすく、
迎え火や送り火はいつ焚き始めればいいのか、
またそのやり方について解説します。
お盆の送り火の時間帯はいつ頃なの?
迎え火と送り火は
お盆期間であればいつでも焚いてよい、というわけではありません。
焚く日やその時間帯が決まっています。
・迎え火
8月13日(一部地域では7月13日)の夕方(17~19時頃)
・送り火
8月16日の夕方(17~19時頃)
それぞれ、日の入りの時間帯を目安に行うのが適当なようです。
なお、日本のほとんどの地域ではお盆を8月に迎えますが、
中には7月13日~7月16日の期間で行う地域もあります。
7月にお盆を行う地域は都市部が多く、
東京都と南関東の一部、金沢、函館などです。
お盆の迎え火・送り火に必要なものは?
迎え火や送り火を行う日や、時間帯が分かりましたね。
続いて、迎え火・送り火を行うにあたって
必要なものをご説明します。
用意するものは次の5点です。
・精霊馬
きゅうりやナスに割り箸や爪楊枝を刺して作った、
馬や牛型の飾り物のこと。
ご先祖様はこの馬や牛に乗って里帰りすると言われています。
作り方の参考になる外部サイトがあるので、
一度見てみてくださいね。
・おがら
麻の芯の部分で、
古来より清浄な植物と考えられています。
通販でも買えますが、
お盆の時期であれば「お盆用麻がら」などの名前で、
スーパーや花屋、ホームセンターで簡単に手に入ります。
だいたい200円くらいです。
・焙烙(ほうろく)または耐熱の平皿
おがらに火をつけて焚くための素焼きの皿のことです。
直径24~30㎝くらいあれば十分です。
焙烙がない場合は、耐熱の平皿でも代用できます。
・盆提灯
一口に盆提灯と言っても、様々な種類があります。
住まいのパターンに合わせてサイズを選択するとよいでしょう。
マンションやアパートなら小型の置き提灯、
戸建てなら手持ち提灯か普通サイズの置き提灯が適しています。
・ろうそく
盆提灯に火をつけるためのろうそくです。
なお、玄関先やベランダで火を焚くことができない
マンションやアパートにお住いの方は、
おがらや焙烙は不要です。
その代わりに盆提灯ひとつと電池式のローソクを準備しましょう。
盆提灯のあかりを、
迎え火・送り火とすることができます。
お盆の迎え火・送り火のやり方について
【迎え火】
1.13日の朝、
仏壇の脇に精霊棚(盆棚)を置き、精霊馬を供えます。
仏壇が無い場合は、
家族の集まる部屋に小さな棚を置いて精霊馬を飾ってください。
2.お墓参りができる方はお墓参りに行きます。
お墓が家の近くにある場合は、
手持ち提灯を持っていきましょう。
お寺の火種をいただき、
そのまま持ち帰って家の仏壇のろうそくに火をわけます。
3.17~19時頃、家の玄関口に焙烙を置いて、
その上におがらをのせます。
仏壇の火を新しいろうそくに分け、
そのろうそくでおがらに火をつけます。
火柱が立ったら合掌し、その後火を消します
(消すタイミングに決まりはないので、すぐに消してもかまいません)。
【送り火】
1.15日の17~19時頃、
家の玄関口に焙烙を置いて、その上におがらをのせます。
仏壇の火を新しいろうそくに分け、
そのろうそくでおがらに火をつけます。
火柱が立ったら合掌し、その後火を消します。
2.お墓参りができる方はお墓参りに行きます。
お墓が家の近くにある場合は、手持ち提灯に火を灯し、
消さないようにお寺まで行きます。
そしてお墓の前で火を消しましょう。
以上が迎え火・送り火のやり方です。
ただし、浄土真宗では
故人や先祖の霊を迎える慣習がないため、
迎え火・送り火は行いません。
代わりとして盆提灯を飾り、感謝の思いを伝えます。
迎え火・送り火を行うかどうかは
故人や自分の宗派によって判断しましょう。
まとめ
意外と知らない、
お盆の迎え火・送り火のやり方についてご説明してきました。
今年の夏は、
亡くなったご家族やご先祖様を偲びながら、
ぜひやってみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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