柿の葉寿司はその名前の通り、柿の葉で包まれているお寿司です。
奈良県の吉野地方の郷土料理ですが、
他にも和歌山県・石川県・鳥取県でも郷土料理とされています。
寿司のネタはサバとサケが基本です。
最近では、タイ・アナゴ・マイタケ・大根などもあります。
薄切りの塩辛いネタと、酢飯を合わせて柿の葉で包み、
重石をのせて寝かせることで、ネタの塩分が酢飯に浸透し、
全体が調和されたとてもおいしいお寿司です。
ちなみに、売られている柿の葉寿司の賞味期限は、およそ3日です。
これは一般のお寿司より長いですが、
食べて食中毒になることはないのでしょうか。
また、賞味期限がちょっとだけ過ぎている場合は、
食べても大丈夫なのでしょうか。
今回は柿の葉寿司があたることがあるのか、
賞味期限が切れても食べられるかについてお話しします。
柿の葉寿司であたることってあるの?
柿の葉寿司は、一般的な寿司より長持ちします。
長持ちする理由は、柿の葉寿司の作り方に特徴があるからです。
- ネタの魚を塩でしめる。
- 一口大の酢飯を薄切りの魚のネタと合わせる。
- 柿の葉で包み、桶の中にぎゅうぎゅうに詰める。
- 重石を乗せて1日熟成させる。
この作り方により、以下の効果があります。
- 塩でしめた魚は生魚より長持ちする。
- 酢飯の酢には殺菌効果がある。
- 柿の葉には柿タンニンといわれるポリフェノールが含まれ、抗菌、抗ウィルスの効果がある。
- ぎゅうぎゅうに詰め重石を乗せて熟成するので空気に触れにくく酸化しない。
これらの効果により、一般的な寿司より長持ちします。
しかし、その効果も数日程度であり、
すぐに食中毒を起こす細菌やウィルスが繁殖します。
その状態の柿の葉寿司を食べれば、あたります。
柿の葉寿司は早めに食べましょう。
ただ、早めに食べても、ネタの魚に
アニキサスという寄生虫が寄生している柿の葉寿司を食べると、
アニキサス食中毒を起こします。
しかし、売られている柿の葉寿司は、
アニキサス食中毒を防ぐため、冷凍処理された魚を使っています。
アニキサスは冷凍処理すると死滅するので、安心して食べられます。
作られてから時間がたったものや、
アニキサスが寄生している魚を使った柿の葉寿司はあたりますので、
十分に注意してくださいね。
柿の葉寿司の賞味期限切れは食べたらヤバい?
売られている柿の葉寿司の賞味期限は、およそ3日です。
先ほどお話ししたとおり、
数日たつと食中毒を起こす細菌やウィルスが繁殖します。
賞味期限が切れた柿の葉寿司は、ヤバいということです。
しかし、柿の葉寿司を郷土料理としている地方では、
昔から長期間保存した柿の葉寿司を食べていました。
なぜ、長期間保存できたのでしょう。
これは、昔から家庭で作られている柿の葉寿司と、
売られている柿の葉寿司の作り方に以下の違いがあるからです。
- ネタの魚は日持ちするよう塩分がとても強い。
- 酢飯ではなく白米を使っている。
- 重石を乗せて数日間熟成し、白米を乳酸発酵させる。
大きな違いは、乳酸発酵していることです。
乳酸発酵させると、食中毒を起こす菌が繁殖しにくくなるため、
長期間保存して食べても食中毒は起こらないのです。
では、どうして、売られている柿の葉寿司は
乳酸発酵していないのでしょうか。
乳酸発酵による熟成は、
酸味やにおいにクセがあり、苦手な人もいます。
売られている柿の葉寿司は、
多くの人においしく味わってもらえるよう工夫され、
乳酸発酵させず、酢飯を使って1日で熟成させています。
乳酸発酵を行なわないので、長期間の保存はできないのです。
売られている柿の葉寿司は、
必ず賞味期限を守って食べるようにしましょう。
まとめ
柿の葉寿司はもともと保存食ですが、
売られている柿の葉寿司は長期間の保存はできません。
柿の葉寿司は一般的なお寿司より長持ちしますが、
賞味期限が切れるとすぐにヤバくなります。
柿の葉寿司を買ったら、
今回お話ししたことを思い出してくださいね。
決められた賞味期限内においしく食べましょう。
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